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漆黒の徳山ダム

徳山ダムへ行ってきた。
徳山村といえば、キャンプにバーベキューに、頻繁に訪れた懐かしの地である。すべてがダム湖の底に沈んでいるかと思うと少し物哀しい。新しくできた美しい道を速い速度で機動する。

冠山に登ったのはいつのことだっただろう。
峠に向って車を走らせる。かろうじて車の通ることができる山道、草を掻き分けながら前進する。「ここで路肩が崩れたら崖に落ちて助からんな」、「ここで対向車が来たら前にも後ろにも進めない。立ち往生だな」 などと思いつつ。車に傷をつけながら必死の思いで峠まで到達する。峠の向こう、福井県側の道は奇麗に舗装されていた。この、あからさまな違いは何なのかと、冠山に登りながら考えていた。ただ確かなことは、「悪路は楽しい」ということだ。その悪路も過去の思い出になってしまった。

徳山ダムの貯水量は日本一ということなので、相当大きいのだろう。漆黒の闇の中、今、自分がトンネルの中にいるのか、橋の上にいるのかぐらいは理解できるが、ダム湖の大きさを把握することができない。夜中に来るところではないと思った。空から攻撃されるわけではないので、お天道様の下、正々堂々と歩くなり走るなりすればいい。楽しみはまた後日。

月夜なれど曇り空、ごくわずかな星のまたたき。北極星は山の影に隠れて見えない。

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